http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/280.html
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今回は、私の友人の中性子線に関するレポートを紹介します。彼は、元“原発ムラ”の会社で技術系の仕事をしていた人です。彼も私も前回紹介しました、もみの木医院の院長先生の友人です。彼のレポートを読んでいると、“中性子線の飛び交うなか、皆様いかがお過ごしでしょうか?”などという、手紙の文句もあり得る世の中になってきたような気がしてきました。(冗談です!)
<前回までの阿修羅掲載記事URL>
福島県から栃木県北部地方の内部被ばくについて
http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/163.html
ホールボディカウンター検査は、受ける必要はない!!
http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/892.html
「中性子線に関するレポート」
福島県中通りで、栃木県北部で、そして東京で! 中性子線検出!!
もみの木医院の院長先生からお借りした中性子線検出器で、福島県中通りと栃木県北部の合計30か所を測定してみました。
使用機種は、RAE systems社のNeutronRAEUです。この機種は、原発職員用&原子力研究施設職員用のもので、30万円位するものです。アメリカのパーソナル用の放射能測定器の評価レポートでも、高い評価を受けていました。中性子線については、秒刻みの検出、カウントパーセカンドという単位での表示で、1秒ごとに中性子線が何回検出されるかを表示します。また、リセットするまでの間のピーク値をガンマ線と中性子線の両方測定し表示してくれます。ガンマ線はリアルタイムで表示されますが、中性子線は大量にある場合を除けば、そこにとどまって何分か経ってから検出され、表示されるようです。
結果は、5か所で1分以内に1cps、6か所で5分以内に1cps、8か所で10分以内に1cps、5か所で30分以内に1cpsでした。6か所では、30分間では検出されませんでした。2cps以上の中性子線が検出されたところはありませんでした。
1cpsは、中性子線の空間線量としては、約0.5μ㏜/hrに相当します。自然界でも、ごく少量の中性子線は検出されています。2004年の全国調査による平均値は、4nμ㏜/hrです。nは、ナノ単位であり1/1000ですから0.004μ㏜/hrとなり、比較すれば一目瞭然で、今回検出された中性子線は、自然のものではありません。福島原発事故の放射能汚染によるものです。
自然界で中性子やその他の粒子などの衝撃なしで核分裂を起こす“自発核分裂”の確率の高い代表的物質は、確率順に挙げると、プルトニウム240(489000回/sec・kg)、プルトニウム239(7回/sec・kg)、ウラン238(6.9回/sec・kg)、ウラン235(5.6×10マイナス3乗回/sec・kg)です。これらの物質は、自然界で“自発核分裂”を起こして、原子炉内部の核分裂と同じように、中性子線を放出します。
昨年8月26日に経済産業省から発表された放出核種の試算表によると、この4つの核種の中で、ウランについては全く発表がありません。プルトニウムについては、239と240が同量とされています。プルトニウムより10000倍以上大量に放出されたネプツニウムが半減期2.356日でプルトニウム239に変換したため、プルトニウム239は240の約20000倍あると推定されます。自発核分裂は、7:489000であることから、ウランを無視すると、140000:489000の比率、すなわち約1:3でプルトニウム239と240から出ている中性子線ではないかと思われます。
核燃料のウランについてみてみますと、ウラン235と238は、原子炉中では、燃料装てん直後は3〜5:97〜95ですが、運転後は1:95になります。ウラン235の自発核分裂は、ウラン238と比べると無視してよいほど少ないことから、プルトニウム239とほぼ同頻度のウラン238の自発核分裂のみが問題となります。
結論として、福島県中通りや栃木県北部で検出された中性子線源は、プルトニウム240がメインで次がプルトニウム239、ウラン238もあるが比率不明ということになります。
プルトニウムがゼロでウランのみからアルファ線と中性子線が検出される状況は、原発事故による放射性物質の飛散では考えにくいことから、この地域にプルトニウム汚染があることは、間違いないと思われます。この地域がアルファ核種のプルトニウムで汚染されていること、そして、それなりの程度の汚染であることが、中性子線検出からも裏付けられました。
また、3号機の爆発は使用済み燃料プールの即発臨界による核爆発を伴っていること、使用済み核燃料にはウランがプルトニウムよりもずっと多く含まれていることから、実際はプルトニウムよりもウランで汚染されている可能性の方がずっと高いと思われます。
私の知り合いが同じ機種で東京の測定を行っています。東京では、1cpsの地域が多いとのことですが、最高8cpsの中性子線が検出されるところがあるということです。局所的には、福島県中通りや栃木県北よりも高濃度汚染地域があることが分かります。
これにはいろいろな説があるかと思いますが、現時点で一番有力なものは、以下の説です。
昨年3月11日の東日本大地震による東京湾を襲った津波で、千葉の石油会社のコンビナートが火災を起こしました。隣接地にチッソの工場があり、触媒として劣化ウランが約780キロ保管されていました。石油会社の火災が延焼して、この劣化ウランは、ほとんど燃えてしまいました。
劣化ウランというのは、天然ウランからウラン235を抽出した後のウランで、チッソ工場に保管されていたものは、ウラン238が99%以上で、ウラン235は0.3%であったと発表されています。マスコミ報道では、放射性物質は0.3%であるから、つまりウラン235だけが危険なものでその量は少ないから、健康被害の心配はないと報道されていました。これは、全くのウソです。
ウラン238も放射線を出します。アルファ線と中性子線です。原子力発電用の濃縮ウランは、ウラン235が3〜5%で、残りはウラン238、劣化ウランは、ウラン238が99%以上です。放射線を出す比率〜放射能は、半減期に反比例すると考えられます。ウラン238の半減期45億年、ウラン235の半減期7億年を成分比率で加重計算すると、放射能は、濃縮ウラン:劣化ウラン=100:87.3となり、大きな違いはありません。
この劣化ウランが燃えた煙が、東京地方を汚染したと考えられ、大量のアルファ線と中性子線を放出していると考えられます。つまり、この説によると、東京地方の中性子線源は福島原発事故由来ではないということになります。
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ここから先は、もみの木医院長の川口幸夫先生のお話をもとに、私がまとめたものです。
まず、プルトニウム240と239による内部被ばくが悪いこと、劣化ウランのウラン238による内部被ばくが特に悪いということです。
プルトニウム、ウランともアルファ線を出すアルファ核種の代表です。(プルトニウム241などのベータ核種の例外もあります) もみの木医院のホームページで紹介されていますように、アルファ核種のアルファ線による外部被ばくは無視できるとすると、内部被ばくのみが問題です。ところが、アルファ核種の出す自発核分裂にともなう中性子線による被曝は、少し話が違ってきます。
中性子線は非常に透過力が強いので、基本的に防御はできません。
中性子線による外部被ばくは避けられませんから、近寄らない以外に避ける手立てはありません。(ここでは、高速中性子や熱中性子などの中性子の速度の違いは考慮しません。)
中性子線による内部被ばくについては、人体で大部分を占める水分に含まれる水素との衝突が問題となります。中性子によって弾き飛ばされた水素の原子核は、周辺の分子をイオン化したりして細胞の構成分子を破壊します。中性子線は、高LET放射線であり、その軌跡にそって激しいイオン化が起こり、他の放射線と比べて被ばくの影響が大きくなります。ガンの発生頻度は、ガンマ線被ばくに比べて3倍から200倍、染色体異常(奇形)などの頻度も40〜50倍になるといわれているそうです。
もうひとつは、“放射化”という現象です。中性子線に照射された物質が放射性物質に変わることがあります。大量のプルトニウムやウランを内部被ばくすると、人間の体自体が放射性物質になることもありうるとのことです。
劣化ウランの主成分であり、原子炉燃料の大部分を占める物質でもある、ウラン238による内部被ばくが特に悪いのは、自発核分裂の頻度が高いといえる物質であることと、体の中でウラン系列と言われる、ウラン238から鉛に至るまでの間に、次から次に核分裂して放射性物質が作られ、それぞれがいろいろな放射線を出す可能性があるからだそうです。(これについては、不明の点も多く、今後の研究が必要とのことでした。)
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はっきり言えることは、日常の生活環境で、中性子線が持続的に1秒間に1回検出されるということは、大変な危険な事態であるということです。
中性子線を出す核種からの防御は、呼吸による内部被ばくを避けるためには、マスクの着用、飲食物からの内部被ばくを避けるためには、関東と福島産の食品を一切摂らないこと、そして、外部被ばくのリスクを含めれば、最終的にはこれらの地域からの移住しかありません。
現在、日本政府は、意図的にセシウム汚染を強調して、他の放射性物質、特にプルトニウムやウランの汚染に目を向けないように仕向けています。しかしながら、いずれはこれらの物質による関東から福島県の汚染を隠せなくなり、妊婦や子供はもちろんのこと、30歳以下の若い人はこの地域を離れるべきことが明らかになるでしょう。最終的には、西日本へ首都移転ということになるのではないかと思います。
2012年3月23日 I.H.
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